教室へと入ると、一瞬だけ皆がこっちを見た。


多分、皆が皆、「どうしたの!?」とでも思っているんだろうな。


「よぉ、夏軌!! 似合ってんじゃん!!」


ヒロシ達がこちらへと手を振りながら近寄って来る。


「おはよ、」と返事を返しながら、なんとなく教室を見回す。


すると、昨日、振られた相手と目が合った。


彼女は驚愕の表情を浮かべながらも、僕ににっこりと微笑む。




(―――、かわいいなぁ。)


昨日までの僕じゃ、こんなのきっと味わえなかった。


目も合わせられないくらいにシャイだった自分とは大違い。


格好って、自分の性格も変えちゃうものなんだろうか。