以前このたけしが一人でクラブの準備をしていた。
偽善者なのかどうなのかはわからないがクラブに真面目に取り組むといったことは嫌いではない。
そのとき二人でばかみたいに荷物を運んでからはお互いなんとなく認め合っている。
まあ最近ではよい合コン仲間の一人だ(笑)
クラブはサッカー。
始めたのは高校生になってからで、始めたのは人より全然遅いほうである。
しかし努力はした。
スポ魂漫画も青ざめるくらいに頑張った。
その結果引退した先輩から
「副キャプテンは水谷!!」
といわれた。
まあもともと人を引っ張る事は嫌いではないし、就職する際に少しでも有利に働くであろうと引き受ける事とした。
背番号は10。
自慢のひとつだ。
サッカーをしている時は嫌な事を考えなくていいから好きだ。
友人のこと。
彼女の事。
自分の将来の事。
過去の事。

しかしこのグランドの中でも最近になって気になる事が1つある。
「なあなあ。淳ちゃん!なんかどっかから見られてる気配みたいなん感じひん?」
こいつは同い年の入来ちゃん。
周りがほっとく事が出来ないくらいにホンワカしていて、世間一般には癒し系といったところか。
「入来も感じてたんや!!絶対誰か見てるよな!?淳二!可愛い子やったら絶対合コンに誘えよ!!」
なんというかたけしの頭から合コンの二文字がなくなることがないというのは逆に人間的で安心感すら覚えるときがある。
しかし今現在僕らを見ている人がいるわけではない。
だが僕自身も見られているという感じがなかったわけではないので
「ええよ。見つけたら合コン誘ってみるわ」
と返事をした。
でもまさかこれが僕の人生を変える出会いになるなんて考えてもいなかったよ。
この出会いが神様からの贈り物だったなんて考えてもいなかったんだよ。

妃奈。笑顔でいれてますか?
泣いていませんか?
もしかしたら僕の事を恨んでいるのかな?
でも僕はあなたを世界で1番愛しているよ。
それはこれからもずっと変わらない。