「そうだ!!今日待ち合わせ場所決めてなくて困ったよね!しかも俺妃奈の携帯番号も知らないから本気であせったから(笑)妃奈はどうしようとしてたの?」
僕の言葉に妃奈はあ!!っていう顔をした。
え?妃奈もしかして??
「ほんとだ!そういえば場所決めてなかったね!!なんで私たち合流できたの?」
妃奈は本気の天然だ。。。
「ていうか今日は俺がいつも妃奈のいる建物まで迎えにいったんやて!!」
。。。その言葉を聞いて、妃奈は何故か少し悲しそうな目をしているような気がした。
「妃奈!今度また遊びに行く時のためにもアドレスと番号教えといてや!!」
俺は何か会話を続けないとと思い妃奈にアドレスの交換を促した。
しかし妃奈からの返事は俺の思っていなかった答えだった。
「ごめん。私携帯電話もってないの。もっていても使えないし。」
妃奈は悲しそうな顔をしたままなぜか僕に謝った。
僕は妃奈の悲しい顔を見るのが苦しくて、妃奈の笑顔が見たい一心で、妃奈にこういった。
「大丈夫!!携帯なんて使っていればすぐ使いこなせるようになるから!なんなら俺が教えてあげるよ!?」

妃奈の悲しい表情が変わることはなかった。
そして妃奈は僕にこういった。
「ごめん。私ホントは病気なの。お医者さんには多分治らないだろうって言われているの。だからずっと入院しているんだ。
携帯は欲しいと思ってるんだよ?一応女の子だから待ち受けとか変えてみたいし、メールもしたい。着うただって聞きたいし。でも病院だから携帯使えないんだよ。ごめんね?」
妃奈は続けて僕に話し掛けた。
泣き出したいのを押し殺して。
こんなバカな僕のために。

「隠してた訳じゃないんだ。嫌いになったかな?本当にごめんね。」
嫌いになるわけなんかないじゃないか。
1番苦しいのはお前だろ?頑張っているのは妃奈だろ?だから誤ることなんてないんだよ。
「なんて病気なの?」
僕は聞かずにはいられなくなり彼女の病気が何かを聞いた。
彼女は一言こう答えた。泣き顔を僕に見せないように顔を背けながら。
「がんていうの。」