ついに今日がデートの日だ。
たけしにも入来にも言っていない。何で言っていないかと聞かれても特に理由はなかった。
まあ言えばからかわれるのがオチだろうと秘密にしておいた。
しかしクラブのたびに妃奈に話し掛けに行っているし、お互いが名前で呼んでいるからあの二人も薄々何かは感じているだろう。
僕はもう頭から妃奈のことが消える事はない。
毎日妃奈のことを考えながら過ごしている。
世間一般には。。。。。「恋」というものなんだろう。

今日告白するべきか?
しかしまた裏切られる事があればどうする?
人間は裏切る生き物だ。
それは絶対に間違いのないことだ。
。。。
。。。いろいろ考えたがまだ告白というものはやめておこう。
信じていないわけではないが、もっと彼女のことをわかった上で告白しよう。
とりあえず心にそう決めた。

僕はたまにおっちょこちょいだ。
デートの場所と日時は決めていたのに集合場所を決めていなかった。
どうしようか?
しかし家を出たのが少し早めだということもあったので、いつも彼女がいるビルの前で彼女の事を待っていようと思った。
しかしどこをさがしてもマンションらしき建物を見つけることができない。
おかしい?
大体の場所はこの辺で間違いないはずだ。
しばらく探してもそこにあるはずの建物には、間違いなくこう書かれていた。
「竹内病院」
病院?
なぜ彼女は毎日病院に来ているんだろうか?
毎日誰かの見舞いにでも来ているのだろうか?
そんな事を考えながら20分ほど待っていると彼女は建物の中から出てきてくれた。