空音

　妃奈は空をみていた。
心なしか寂しそうにも見える。
よし！声をかけよう。
「妃奈！どこ見てるん！？」
大きな声で妃奈に声をかけた。妃奈は最高の笑顔で僕のほうを見てくれてこう言った。
「なんで呼び捨てなんよ！！」
あれ？俺今妃奈のこと呼び捨てにしたっけ？
「ちゃんつけるほど俺は育ちが良くないの（笑）」
楽しい。てか幸せってこんな感じだな。うん、間違いない。
「淳二のバカー！！」
妃奈に名前を呼んでもらった。やばい。うん、好き。間違いないな。
「妃奈かっておれのこと呼び捨てやん！！しかもバカって。。。」
妃奈は一瞬あっ！ていう顔をした。やばい。かわいい。
「妃奈かわいいな（笑）てか天然？？」
もう俺は気持ちを抑える事が出来なくて思った事を躊躇なく口に出してしまっていた。
「からかわんといてよ！てか午前中は何してたの？！サッカーは？グランドにうるさい人がいないから寂しかったやん。」
え？寂しい？たしか１番最初に話し掛けた時に。。。
「妃奈？たしか空がいてくれたら寂しくないっていってなかった？？」
妃奈は間違いなく天然だ（笑）
みるみる顔が赤くなる。
「よし！じゃあ寂しい思いさせたお詫びに今度妃奈の行きたいところに俺が連れて行ってやるよ！！デートしよう！」

妃奈はどんな反応するのだろうか。やっぱりデートに誘うのは早すぎかも。。。。
しかし俺の心配がピークになる前に妃奈はこう言った。
「じゃあ遊園地！！！」

このあと二人は他愛もない会話をし、どこの遊園地に行きたいか、日にちはいつにするかなどを話し合いたくさんたくさん笑いあった。

妃奈？このときはもう僕には君のことしか見えていなかったんだよ。あなたのこと全てを僕が守りたいと思っていた。あなたの為ならできない事はないと思っていた。
いまでもあなたは僕の中で生きつづけているんだよ。いつまでも僕だけの綺麗なその笑顔で。