「俺は何時でも良いですよ。朔に会えるだけで満足ですから。」

原田は歯の浮くような台詞を恥ずかしげもなく言う。

「なんだお前ら付き合ってたのか。どおりで斎藤を指名するわけだ。」

坂本は納得したように頷く。

「はい。ついさっきからです。」

原田誤解させてんじゃねえよ。

『坂本、ちげぇよ。』

「まぁ照れんなって。」

私は大きなため息をついた。

此れだから若い教師は嫌いなんだ。

勝手に想像して勝手に冷やかす。

本当に迷惑だ。

『もういいか?帰る。バイトあるから。』

私は鞄を持ち扉に手をかけた。
そして原田が着いてきそうだったので後ろを振り返った。

案の定着いてきてたので釘を指しておいた。

『教師を手の内に入れたからって調子に乗るな。次あの態度で呼び出すようなら出るとこ出るぞ。女だからって舐めてると痛い目見るぞ。』

私はそう言っていつもより荒々しく扉を閉めた。