今思えば、ここから離れた遠い街。
そこでは人がたくさん死んで、
だけど多くの者が生き返った。
今では溢れかえっている、不死者として。
そういう土地なのだったと思う。
彼らが人を食べるのを、
きっと順番を取り違えた噂が広まり、
人を食べれば生き長らえると、そう取った
それがあの噂の真実。
実際には、人の血肉を啜ったとして、
誰も、なんの病も治す事は出来ないのに。
ただでさえ少ない健康体の人間は、
病に倒れた人々の糧となり、
そしてどちらも居なくなってしまった。
どんどん、街の人口は減っていくばかり。
そんな街にも、旅人が来た。