続けて、俺の連れが追っていると、
そう告げる前に。
発砲音がして、
俺の頭に風穴が空いた。
……どうせなら開いてる窓から撃てよ。
薄い意識の中でそう思い、
エンジンをかけようと体制を立て直す。
しかしその前に女がドアを開け、
どこに隠れていたのか、
大勢の、恐らく人間が出てきて、車の周りを囲んだ。
全員、刃物や鈍器を持っている。
……罠か?
さっきの、少女も含めて。
はっきりする前に
再び失われつつある意識の中、
ぼんやりと彼の無事を祈った。
まあ、大丈夫だと思うけど。
俺はそう信じている。
ずっと。