「不死身の者の体液や、肉を摂取すると
一時的にだが、不死身になれると聞いた事がある」
それは本当か?と、男は尋ねた。
「……本当だ」
あまりやった覚えはないけれど、
数度、そのような機会があった。
主に、死にそうな人間の口に
無理やり血液を流し込む感じだ。
まともな人間は、
人の血肉を喰らう事に、当たり前だが
抵抗と、それに嫌悪を持つ。
だから、本当に最終手段か
もしくはよっぽどの変わり者しか、
そんな事を実行する者はいないだろう。
今では嬉しそうに俺を食べる彼だって、
こうなる前は、
『ジュンの事は大好きだし、
何でも出来る自信はあるけど……』
踊り食いはそもそも苦手だとか
ちょっとずれた事を言っていた。
……まあ、俺も冗談で言ってみたんだけど
そもそも、眉唾物だ。
信じる奴もあまりいないだろう。
「頼む。
血液を少し、貰えないだろうか」
……居た。
信じる上に、自ら望む奴が居た。
初めて見た。