町中にゾンビが溢れて、しばらく経った。
余所者や異質の者には冷たいのに、
何故だか彼らは受け入れられている。
そんな町を疑問に思っていたある日の事だ
町の住人に、俺は襲われた。
自分が人を喰らう事に抵抗があり、
飢えすぎて理性を保てなくなった奴だった
……少し食べられた位なら、
すぐに回復するから問題は無い。
だけど他の人間に、
倒れている所を見つけられてしまった。
とりあえず俺もゾンビだと、誤魔化した。
皆、それを信じた。
だけど、すぐにバレた。
彼らは仲間を見分ける事が出来るからだ。
「……なあ、お前は何なんだ?」
1人が俺に聞いた。
「さあ?何なんだろうな」
俺にだって理解しきれてないんだ。
自分が人間なのか否かさえも。
だからそんな事を聞かれても困る。
……その日から、俺と周囲に壁が出来た。