食事を終えて、店を出た。

「こうしてまた1つ、
 ゴーストタウンが出来上がったのです」

しんみりムードの俺を、
助手席の彼が茶化した。

「まだ出来上がってないだろ」

「もうすぐ、だろうけどね」

少年は、今日で5日目なのだと言った。
それまで何となく店は開け続けるそうだ。


「ジュンはさ、結構、影響されるよね」

「感受性が豊かなんだって言ってくれ」


「そんなんじゃ今まで大変だったでしょ」

「……まあ、それなり、だ」


しょうがないじゃないか。
置いて行かれる気持ちは、痛いほど解る。

それに、別に少年に同調した訳じゃ無い。

もうこないでくれと願うその瞬間を、
隣に座る彼で思い浮かべてしまったんだ。