けれどある日彼は言った。
愛しい愛しい、俺の恋人が。

因みに、この国では
異性愛者も同性愛者も一般的だ。


「どこか遠くへ行こうよ。
 こうなった俺でも、
 当たり前に居られる場所に」

彼はそう言った。
本当はきっと、俺を気遣ってくれての事だ

だって、彼だけなら、
この町で十分普通に生きられる。

「……そんな所、あるか?」

「探してみようよ。旅に出よう!」


当たり前に居られる場所。

そんな物があるとすれば、
そこはきっと、楽園だ。


楽園を探しに、行ってみようか。

そうして2人は、旅に出た。