……綺麗な夜景だ。
小高い丘のベンチに座って
星の瞬く空を見上げた。
まともに生活している人類の数は
数年前と比べてかなり減少している。
だからこんなにも綺麗な星空なんだろうか
「あの、お兄さん」
ぼーっとしていると、
背後から声をかけられた。
振り返ると、そこにいたのは
10代中頃に見える少女だった。
彼女は、まだ幼さを残す顔に似合わず
肩と胸元を露出させた、
薄い布地の服をまとっていた。
スカートの丈も、足りていない。
「どうしたの?
夜に女の子が出歩いてちゃ危ないだろ?」
笑いかけてやると、
少女は嬉しそうに近寄ってきた。
「お兄さん、私とイイ事しませんか?」
精一杯であろう、色気を振りまき
彼女は俺に笑いかけた。
これは女に飢えている異性愛者の男なら
さぞかし飛びつきたくなるんだろうな。
「残念だけど、恋人がいるんだ」
隣を指さしながら言う。
少女は、そこを覗き込んだ。