「桜井先生?」
と田中先生が私の顔を覗き込む。
「あ、すみません!担当は、国語です。」
私を見て、雅樹が一瞬ニヤッと笑った気がした。
「じゃ、桜井先生に質問がある奴。」
わ〜、積極的な男子が多いんだ。
でも、男子で唯一手を挙げない雅樹。
「おい〜。松島。お前は、綺麗な桜井先生に質問、無いのか?」
松島は、雅樹の苗字。
「僕、桜井先生並に綺麗な彼女居るんで。」
とまた私を見て、ニヤッと笑った。
「嘘!王子に彼女?」
「許せない〜!!」
「でも、桜井先生並に綺麗じゃ、勝てないよー。」
「えっ?王子って…。」
とつい声に出してしまった。
「僕ですけど?どうかしました?」
てか、さっきから僕?
あの雅樹が?
ついニヤけると、睨まれた。
「あっ、いえ。さっき、廊下で聞いたので…。」
なんで、私は雅樹に敬語使ってんの?
「じゃ、質問はー?」
と田中先生が聞く。
「先生!彼氏は?」
「一応、居る、かな?」
「まぢかよ。」
「ショック〜。」
「だよなー?」
何?
なんで?
私なんか、ブスで彼氏なんか居ないと思った?
「じゃあ、このクラスの男子で誰が好み?」
そりゃ、雅樹よ。
とも言えないし。
「先生、困ってますよ。これくらいに、しときませんか?」
と雅樹が言った瞬間、クラスが静かになった。
雅樹って、凄いかも!
そして、HRが終わって、今日は解散。
私は、ある場所に向かった。