そして、今日は、いよいよ、初出勤!

「雅樹!起きて!!」

「ん。」

「起きてよ!」

「ん〜。」

と体を揺さ振り無理矢理動かし、起こす。

「私、行くからね!雅樹も遅刻しちゃ駄目だよ。」

「沙羅、待って。」

「何?」

チュ

「行ってらっしゃいのキス。」

「なっ!」

「行ってらっしゃい、沙羅。」

「い、行って、行ってきます。」

もう!

雅樹の馬鹿!

行ってらっしゃいのキスって、何?

私、雅樹に振り回される人生になりそう。

と思いながら、学校へ行くと、

「やっほ。沙羅!!」

「美波。」

これは、相沢 美波。

私の親友で、養護教諭なんだけど、たまたま職場が同じなの!

あっ!

私の苗字は、桜井。

話しながら、職員室へ。

軽いミーティングを済ませると、

「キャー!」
「王子〜!」
「王子が笑ってる〜。」

廊下から、聞こえる声。

王子?

近くに居た先生に、

「王子って?」

「ああ。我が校の最優秀生徒。で、生徒会長だよ。確か、桜井先生のクラス、3-Aですよ。」

そうなんだ。

見てみたいかも!

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「桜井先生。行きましょう。」

と来たのは、3-Aの担任の田中先生。

私は、副担。

しかも、この学校、始業式が無いの!

終業式もね。

と思ってると3-Aに着いた。

ガラガラ

「はい。HR始めるぞ。俺のことは、知ってるな?コッチは…。」

と振られ、

「あ、副担の桜井で…。」

私は、そのとき見てはイケないものを見た気になった。

雅、樹?

だよね?

見間違えるはず、ない。

ここだったの?