時計の針が17:00を指したとき、チャイムが鳴った。
塾にもチャイムがあることに少し驚きながら、そっとシャーペンを取り出した。
一気に静かになった教室。
エレベーターの開く音が、よく聞こえてくるほどだった。
「おっ!みんな静かやなぁ。そんな緊張せんでええよ~♪」
声の主は、もちろん
西夏先生。
「俺の名前は、西夏です。
この校舎では、唯一の関西弁を話す先生なんやけど、慣れてください。絶対ね!
んじゃ、篠瀬!
俺の下の名前はなにか、当ててみー?」
はぃ??
下の名前って...さっき自分で言ってたじゃん!!
「えっと......りょう、た?」