「俺に出来るなら
お前の我が儘
聞いてやるよ」

そして、いつもの笑顔で
頷いてくれた。

「…ッ…頭…」

「…は?頭?」

「頭、ポンポンって…
それで、頑張れって
言って…ッ…?」

私って結局、
ずるい人間だ。

ヒデが断れないの
知ってるから
こんな我が儘
言っちゃうんだ。

何だかんだで
気持ちの整理
できてないじゃん。

「最初で最後の
我が儘だからな」

そう言って
頭に手が乗った。

「リオ、頑張ってな」

それだけで
もう、十分だった。

「これで、ちゃんと
想い出にできそう…」

「じゃないと
拒否るからなー」

「やめてよーw」

そんなこんなで
一杯だけ飲んで
語り合って解散した。

「ヒデ、
本当にありがとね」

「おう。
雅也と仲良くしろよ」

「もう、仲いいんだよ」

「それは良かった」

「それじゃぁね」

「またなー」

ヒデ。
バイバイ。