「俺とは、嫌かな?」

「いえ、嫌では……でも、あの」

この人は、私と誰かを
勘違いしてるんじゃないでしょうか。

その事を、伝えなくては。

でも、勘違いが解ったら、
今の言葉は撤回されてしまうのでは……

そんなずるい考えが頭をよぎり、
会話を続けれないでいる私を、
彼はじっと、待ってくれています。


「あの、私!」

「うん?」

「めんこちゃんじゃ、無いですから!」

そう言うと、彼は笑みを深めた。

「そんな事ないよ」

……?言っている意味が、さっぱりです。

「だから、私、そんな名前じゃ……」

無いです。まで言えずに、
私の声は彼の笑い声にかき消された。


私、何か変な事言いましたか?!