「っ」
心から言ってくれるみんな。だから尚更申し訳ないんだけど。
「蒼空ー、遠慮はなしだぜ?」
遠慮なんかしてない。みんなを信じて、何でも相談する―――そう決めたんだもん。
「でもこれは、意味が違います」
ただのあたしの忘れ物なんだからみんなが行く必要はないんだ。すぐに戻ってこれるんだし。
「…けど、」
「あたしってそんなに信用ないですか?すぐに戻りますから、あたしを信じてホテルで待っていて下さい」
強引に言い放つと、みんなはむーと唸って顔を見合わせた。
やがて、
「分かった。じゃあ俺らは先に戻ってるから」
「早く帰ってきてね」
やっと許可が下りた。
「はいっ!」
あたしはにっこり頷いて、くるりと踵を返した。後ろでみんなが、心配そうにあたしを見てるのも知らないで。