だって先生の目、本気だったから。

吸い込まれそうな瞳、あたしの肩を掴む力強い手、愛していると言う言葉…。



だけど…その光景を妬むような、憎むような目で見ていた翼ちゃんが視界に映り、あたしは我に返った。


ドキドキと、ときめきとは違う心臓の鼓動に戸惑いながら、その場を茶化した。





もしかしたら、翼ちゃんは松神先生の事…―――。


「蒼空、大丈夫か?お前も酔った?」




ふいに八木原君に顔を覗かれ、ビクリと心臓が跳ねた。


「あ、いえ…全然大丈夫です!ちょっと眠くなっちゃったな、って…」


正直、眠いのは事実。

何てったってあたしは、遠足の前日に気分が高まって眠れず、当日に熱を出してしまうほどバカなんだから。

今日も微熱な事は内緒です。



「まだ7時前だからなー」