学校の帰り道。
背後から視線を感じる。
最初は考えすぎかなって思ってたけど、違った。
『怖いよ。』
彼の晃樹に助けを求めるメールを送る。
そして背後からの足音に耳を澄ませながら、早足に歩く。
ピロリロリーン♪
携帯の着信音。
この着信音晃貴と一緒。
もしかして...晃貴?
「こう...「ひどいなー」
聞き覚えのある声...でも晃樹ではない。
「俺に気づいてるなら無視しないでよ」
気づかれた。
「い..いやぁっ!!」
恐怖で駆け出す...が、すぐ追い付かれ、後ろから抱き締められる。
そして手に持っていた携帯を私の前に出す。
『怖いよ。』
それはさっき晃貴に送ったはずのメール。
そしてその携帯は見覚えのあるパ-プルの携帯。
頭がこんがらがる。
これは晃貴のなの?
咄嗟に後ろを振り向く。
「やっと見てくれたね」
整った顔、切れ長の大きな瞳...そして漆黒の髪。
顔2つ分はある私との身長差。
彼は私を見下ろしてうっすらと微笑む。
しかしその表情は時折哀しげで狂気じみている。
懐かしい....。
「凌....」