「愛希、さん…違うよ」





「じゃあ何が出来ないの」








愛希は腕組みをしながら、




壁にもたれて堂々と私を見ている。









「…直樹が目の前にいるって思ったら、緊張して恥ずかしくて」









小さく呟いた私の頭に、




愛希はポン、と手を置いた。








「やっぱ、好きなんだね」






「違う…」









涙をふきながら俯く。





「何が違うの、まあいいけどさ。あたしが手本を見せたげる」