「………あの…何か用ですか?……」
色が宿されていないその瞳で
俺を不思議そうに見てくる女。
声にはなんの気持ちも入っていない。
―――無だ。
その゙無"に吸い込まれそうになり、
俺は慌てて口を開いた。
「何って……アンタが自殺しようとしてたから……」
「……へ?…じさつ……?
……ふふっ。あははは!」
突然その女は笑いだした。
…狂ったか?
さっきの儚さが嘘かのように、
女は俺に掴まれていない方の手で腹を抱え笑っている。
……なんだ、この状況。
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