逃げるようにして家に帰ってきたあたしは、することもなく部屋の隅っこに座っていた。
カーテンの隙間から沈みかけた太陽の光りが差し込む。
真っ赤な空を見ていると気持ちが安らぐ。
自分の悩みは小さいようななんでもいいような感じがしてきた。
明日は明日。
なんとかなる。
明日からフリーターか。
あ、働いてないからニートか。
まあ!前向きに生きていこう。
仕事でもなんでもやるんだから!
色々考える前に……
あーおなかすいたな。
「紗雪、ご飯一応できたわよー!早いけど食べちゃう?」
お母さんがいつも以上のえがおで部屋にに入ってきた。
きっとあたしが帰ってきて、落ちたことだけ報告したきり部屋に籠ってたから、気を使ってくれてるんだろうな。感涙!
「ん、食べる!おなかすいた!!」
「はーい♪じゃあすぐに並べるから!」
ん?
それにしても、お母さんテンション高すぎじゃないの?
唇を尖らせてにやにやしてる。
口笛ふきそうな勢いだし。
それから腕を後ろで交差させてそわそわ落ち着かない様子。
*