その後、階段を昇って上に戻り、辺りを一望できる広場を歩いていると、いろいろな会話が聞こえます。


「○○さんの家は何処ら辺だったんだ?」


「○○さん家はあそこら辺で、△△さんはあっちだったんだ」


とか。





小さなお子さんを連れている親子連れと擦れ違うと。


「だからね、もう前のお家は無くなっちゃったから、あそこから通うしかないの……分かった?」


「ヤダ! お家に帰る! あそこはヤダ!」


恐らく、避難所か引っ越し先から幼稚園か小学校に通う事をお子さんが理解できなくて、お母さんが何度も説明しているようでした。