そう大声で叫ぶと、ぷいっと橘に背を向け歩き出す。
「おい!菜摘!!」
背後から呼び止める声が聞こえるが、そんなの無視。
本当…イライラする。
結局、女だったら誰でもいいじゃない!
私なんかじゃなくてもー…
「聞け!!」
さっきよりも数倍大きい声。
な…何よ!?
バット後ろを振り返ると、いつの間にか橘が真後ろにいて腕を掴んでいた。
「ちょ…」
触らないでよ!
掴まれた腕を振り払おうとしたー…
「言っとくけどな、俺から惚れたのは菜摘が初めてなんだよ!!」
が、
「他の女なんか、どうでもいい。菜摘だけが、俺の虜になってくれればいいんだよ!!」
振りほどけなかった。