[わり…大丈夫か?]


暗闇の中から、手が伸びてきた。


[いや!]


さっきの恐怖からなのか、バシッと伸びてきた手を叩いてしまった。





[いてっ…て、その声は榊原か?]


[どうして私の名前…]


[俺だよ、俺]


その人物は街灯の明かりの下まで行くと、やっと顔を見せた。







[健人!!]

[やっと気づいたか…って、お前泣いてんの?]


健人とは、同じクラスで席が隣。
授業中によく喋ったりして、結構仲が良かったりする。