ドアを開けた瞬間のみんなからの
視線がイタかった。
先生の怒鳴り声と、あからさまに
俺を睨んでいる藤村 絢( フジムラ ケン )の
目が気になって仕方がなかった。

「気にすんな」という佐藤の言葉が
とても温かく感じた。



授業が終わり、10分という
何とも短い休み時間になった。
机にうずくまっていた俺の前に、
先ほどすごい形相で俺を見ていた
藤村が立っていた。


「何やねん、藤村」

「何が"何やねん"だ。転校したての奴が、チャラチャラしてんじゃねえよ」

「そりゃスンマソン」

「…っ、よく聞けよ田中、お前は気付いてねえかもしれねえが、このクラスのやつはー…」

「ズズズドーンッ」


藤村が何か言いかけた時、
佐藤が藤村に長距離からのタックルをした