きっとこれ以上聞いても、何も答えてはくれないだろう霧様に多少のもどかしさを感じつつも、いつの間にか火に掛けたポットが蒸気を上げて、湯が沸いたのを知らせてくれていた。


「露、お湯が沸いたよ」

「は、はいっ」


霧様にも言われて、私は急いで火を止める。


そして、沸きたてのお湯をティーポットに少し移し、温まったのを見計らって一度そのお湯を捨て、その中に今度は適量の茶葉を入れる。


そこに、沸騰しているポットのお湯を高い位置から一気に注ぎ、その熱を逃がさないためにフタをして、数分待つ。


私が作業している間、ずっと霧様の視線は外れることがなくて、緊張に手が震えそうになりながらも、なんとかここまでたどり着けた。


あとは、蒸らして、ティーカップに注いで、霧様に持っていくだけ……。