「こいつが俺のチャリのタイヤ、パンクさせやがったんだよ!

ただ謝ればいいっつーのに、謝まんねーしよ。

ガンつけてきやがるわで…」

「……」


坊ちゃん頭が、何かを使って、

腰パンのチャリのタイヤをパンクさせたらしい。


そりゃ怒るわ、腰パンも。

あたしは耳を澄ました。


――こいつは俺のことをバカにしてるんだ!

見下しているんだ!俺を嫌っているんだ!



――何でこんなことされんのか分かんねー。

何でこいつに敵視されなきゃいけないんだ?

何もしてねーし。

こっちは歩みよったこともあったろうがよ、

分かり合おうとしないのはお前だろって!