「でっかい声………。」

「「え……?」」

誰も居ないはずの屋上。
だけど聞き覚えのある声。

ヨッと言いながら上から降りて来たのはネコっ毛の彼だった。

「……茂音。……今の…。」

「聞こえた、つか今ので起きたし。」

「………。」

初めて見る不機嫌そうな茂音君。
女の子の顔は思わず青くなっている。

「雪乃が変なこと言うから会長さん困ってるじゃん?」

「………ごめんなさい。」

「俺に謝るの違わない?」

「………先輩ごめんなさい。」

「あ、いえ、そんな……。」

女の子泣いてるし…。
こんなに迫力のある茂音君初めて見る。
いつも犬みたいで可愛い感じなのに………。

「会長さん、ごめんね?」

「え、いや、大丈夫。」

私に笑いかけた茂音君。
だけどいつもみたいな顔じゃない。