「じゃ茂音君は?」

「ん?」

「アネモネ。思い出の花なの?」

「……あぁ。うん。そう。大事な思い出…かな。」

「そっか。」

……?
気のせい?
茂音君の顔が一瞬曇って見えた。
でも次の瞬間にはいつもの笑顔。
やっぱり気のせいかな…?

「そっかー。でも、そしたらさ、私たちアネモネ同盟だね?」

「アネモネ同盟??」

「うん。アネモネの大切な思い出があるから。アネモネがあったから今、二人で歩いてるから。」

私にしては、いいアイデア!なんて思っていると、突然、茂音君は足を止めた。

「どうかした……?」

気付いて振り向くと、その瞬間、彼は思い切り笑っていた。

「ぷっ……!!ククッ……会長さんって……可愛すぎっ…クッ…。」

「………なっ!!」

からかわれているのも、バカにされているのも解るのに、慣れない言葉に耳まで赤くなるのが自分で解る。
彼はそれを見て、ますます笑う。