雅光を先頭に女子三人組に声をかける。

「へい、そこの三人。
俺たちとお茶でもしないかい。」

すると、麻里と呼ばれていた子が、

「ごめんなさいね。
本能的に無理です。」

続いて、香菜恵と呼ばれていた子が、

「君たちはあまり好みじゃぁないからなぁ。」

と、言葉を濁した。

この時点で僕らのテンションはガックリ下がった。

しかし、次の瞬間、一気にマックスまで上がった。

なぜなら、蓮さんが、上目遣いで、

「別に私はいいですよ。むしろ楽しそうです。」

と、言ってくださったからだ。

これで興奮しなければ男じゃない。

予想通り、雅光と雁太は、

「君、かわいいね。」

「やべえ。
俺、一目惚れしたかも。」

と、口説きにかかっている。

なんとも言えない、慣れた感じだった。

何故だろう。

っと、それよりも、このままだと蓮さんを二人に取られてしまう。

負けてられない。

でも、何をしたらいいのか。

僕はカッコよくないし、特技もない。

いわゆる平凡人だから…

そうだ。

この前、雑誌で

「言いたいことはストレートに。」

って書いてあったのを見た。

ならば、ストレートに、

「蓮さん。」

「はっ、はい。
なんでしょうか。」

「あなたのことが好きです。
お付き合いしてください!!」

「えっ、えっと。」

蓮さんは、なんか混乱している。

よく考えると、これって告白じゃん。

告ってから気づく自分に苛立つ僕。

蓮さんを見ると、驚いたらしく、呆然としている。

こんなムードじゃ絶対だめじゃん。

隅の方で泣き崩れる僕。

その僕に、蓮さんが…。