僕らは、勝利の余韻に浸っていた。
しかし、それは、一瞬にして、潰された。
三人の女子生徒によって、
「見てください。
あんな所に、四十位代がいますわよ。
ああ、汚らわしい。
そう思いません、香菜恵さん、蓮さん。」
「そうよね。
私達は、お金余ってるし、あげる?
ねっ、麻理っち」
「餌付けは余り良くないのでは。
香菜恵さん。」
僕らは、彼女らを殴りたい衝動にかられた。
拳を握った。
でも、できなかった。
握りしめた拳から、ゆっくりと力を抜いていく。
出来るわけないじゃぁないか。
相手は女子生徒、ましては、あんなにかわいい子達のどこを殴れと言うのだ。
初めに挑発してきたのが、麻理っちと呼ばれていたから、麻里という名前だろう。
ほんのり茶色がかった髪が、背中にかかり、見た目や、喋り方から、お嬢様を連想させる子だ。
次に、餌付けを提案した子が、香菜恵と呼ばれていた。
髪型はショートカットで、とても元気がありそうな、パワフルな子だった。
最後に、その二人の会話を黙って聞いていた子が、蓮と呼ばれていた。
僕自身、この子が一番好みだった。
さらっとした黒髪が、肩にかかるくらいの長さで、とてもおとなしそうな、いわゆる、大和撫子だった。
「おい、あの三人組めっちゃかわいくねぇ?
やばい、興奮してきた。
うし、尚平、雁太、話しかけに行くぞ。」
と、雅光が言った。
僕らの返事は勿論、
「「はい、隊長。」」
そして、僕らはかわいい三人組に近づいた。
こうして運命が変わっていったのだった。
とあるビルでの事、
「おい、あれはどうなっている。」
「はい、総理。
計画は予定通り進行中です。」
「そうか、ならそろそろアレをやれ。」
「かしこまりました。」