第一回戦、44位 滝川京子 VS 47位 神岡雁太
教科 保健体育
第一問、薬物でチョコとも呼ばれる物はなんでしょう。
「はい、大麻です。」
流石は『歩く保体』。
問題を読み終わるかどうかのはやさだ。
相手を見ると、少し顔がひきつっていて、嫌悪感をむき出しにしている。
それは当然だ。
親友の僕でも少しひいているのだから。
「おい、尚平。
何か一気に俺の人気が下がったような気がするんだが。」
「気のせいだよ。
もともと、雁太に人気があると思うの?」
「思わないな。
尚平の説得力はすごいな。」
「テメエら、少しその面貸せや。」
「あなたたち、そろそろ勝負を再開しますよ。」
先生の注意が入り試合再開。
まったく、雁太は、自分に人気があると思ってるのか。
可哀想なやつだな、っと、危ない、危ない。
なんか雁太のとこらへんから靴がとんできた。
雁太が靴をはいていないのは、気のせいだよね。
第二問、サッカーで味方が自身のゴールにボールを入れてしまうことを、「オウンゴール」と言う。
ここで問題、「オウンゴール」の昔の名称は何と言うでしょう?
「はい、自殺点です。」
「正解です。
(はぁ)
これで神岡くんの勝利です。」
これでこっちが一勝だ。
先生のため息が気になるが、まあ、雁太が悪いということにしておこう。
誰だってあそこまで保体好きをみたら、ひくだろう。
(じぃぃぃぃぃぃ)
どうしてだろう。
雁太の視線がいたい。
っと、まあ、どうでもいいことは、おいておいて、
「どうでもよくない。」
「うるさい!
人の話の腰を折るな。」
えっと、そうだ、そうだ。
これで一勝だ。
次の雅光が勝てば、僕たちの勝利となる。
しかし、雅光は、テストでふざけた。
もしかしたら、今回もふざけるのではないかという不安がある。
何か予想外な事が起こりそうな予感がする。
そして、その予感が的中してしまうのであった。