「それに、駿ちゃんは優しいけれど言葉遣いが乱暴だから・・お友達が居るのか心配だったけど、翔太さんみたいなお友達が居てくれて良かったわ。ありがとうね・・。」



そう呟いていたトヨさんの声は、とてもか弱くて。


最期が近づく予兆がした。




「なあ、婆さん。」




「・・・・・なあに?」





「あんたは・・・・・幸せだったか?」





絶え間なく、駿の目からは熱いものがあふれ出していた。





「・・・・ええ、幸せよ・・。」




その言葉を最後に、トヨさんは瞳を閉じた。



そして、その目が開くことは二度と無かった。