「―――…はる!?稚春!」
――ハッ――
「稚春、気付いたか!?」
連が心配そうに私の顔を覗く。
…イヤな夢を見たような気が…。
…っ。思い出したくないっ。
思い出しかけた記憶を消すようにブンブンッと頭を振る。
「本当に大丈夫か?」
そんな私の様子を見て連はさっきよりも、もっと心配そうな表情を見せる。
「大丈夫だよ。ちょっと…嫌な事を思い出しそうになっただけ…。」
そう言って連にニコッと笑いかける。
でも連は
「無理して笑うなって今日、銀に言われただろ。
だから、笑えねぇ時は無理して笑うな。」
と真剣な表情で私を見つめてきた。