「おい、無視か。」




多分、私に話し掛けてるんだろう。




でも絶対に口を聞きたくない私は、無視を続ける。





「…チッ。そんなに俺と口聞きたくねぇねかよ。」




…今、舌打ちしたよね。






むかつく。





あんたが悪いんでしょ。





私が隼人と口を聞きたくない理由、分かってるくせに。




そう思いながらはぶてていると、KYな銀が




「ふぅ~。あっぶねぇー。もう少しで稚春ちゃんの罠にハマる処だった…。」




とわざとらしく額の汗を拭うフリをしながら呟いた。




「あ゙?銀、何だ。稚春の罠って。」




勿論、隼人にも聞こえた訳で。