「すみませんでした!」
全員が土下座をして謝り帰っていった後、オレたちは生徒会室に戻ってきた。
「しーくんも隼もお疲れ様。カッコ良かったよ。」
結奈は飲み物を手渡してくれた。オレにはちょっと甘めのミルクティー。椎名には微糖のコーヒー。

……なんかオレ餓鬼だな。
ちょっとだけ凹んだ。

「ありがとう。」
椎名と葛城の訛りは元に戻っている。
「椎名も葛城も、なんでさっきは普通に標準語だったんだ?」
「顔隠してるのに、東京で関西弁喋ってたら人物特定されやすいんですわ。せやから、バレへんように標準語にしてるんです。」
「そっか。なんか違和感アリアリだな、それはそれで。」
「かもな。でも新鮮やろ?俺じゃないみたいで。」

……なんか、今腹立った!
その不敵な笑みで言われると腹立つ。図星なのに。

「嘘や、そんな敵意剥き出しにすんなよ。」
柔らかい余裕の笑み。コイツには適わないと思った。
「はじめの時より、ここに慣れたろ。こんな仕事を実はしてるんだ、俺たちは。」
柊はオレに向かって言った。きっと楽しいんだろう、仕事は大変でも仲間が良い仲間だ。
オレも笑って返した。
「今更やめますなんて言えないんだろう?」
「おう。なら宜しくな。」
口々に宜しくと言われ、少々照れくさく。オレはふいっと横を向いて頷いた。
横目で見た椎名は、葛城と嬉しそうに微笑んでいた。