「だりぃな…」



煙草の煙と共に
私の口から無意識に
吐き出されたその言葉は
誰の耳に届くこともなく

頭上に広がる青空へ
フェイドアウトしていった



もう一度煙草の煙を
肺いっぱいに吸い込み

空に向かって
ゆっくり吐き出してゆく。


徐々に形を変えながら
空気中に溶け込んでいく
白い煙を見つめながら



これから始まる
高校2年生としての
新しい1年間を
根拠もなく悲観視しては

センチメンタルな気分で
うなだれて
コンクリートの固い地面を
虚ろではあるが
しっかりとした眼差しで
睨み付けた。