クロ君も着いてきたし…。



余計歌える気がしない!!



「風都は…うまいの…?歌…」

「うめぇよ」

「自信あるの!?」

「あるね~。音楽は好きな方。絶対やらないけど」



なぜ?



バンドとか組めばいいのに。



まぁ、風都はそんなタイプじゃないか…。



自分でうまいって言ってただけあって、風都は本当に歌がうまかった。



惚れ直すくらい、うまかった…。



さらに歌えないあたし…。



「曲入れねぇの?」

「い、入れない…。入れ方知らないし…歌えるわけないじゃん!!」

「ちー、女は愛嬌より度胸だ」

「あたし愛嬌派だから」

「お前愛嬌ねぇだろ…」



あうっ!!



イタイとこ突かれて曲を入れなきゃいけなくなって。



いざ歌ってみたら誰も聞いてないし気持ちがいい。



大声出したらストレス減ったかも…。



なんかあたしって風都に救われてる気がするなぁ…。



しばらくしてトイレに立ち、部屋に戻ろうとした時だった。