そしてヒマな夏休み、俺はひたすら服を作って遊んだ。



親父がくれた基本の本を読み、デザインを書いて服を作る。



ヒマ潰しには最高の遊びで、楽しくて毎日ミシンで遊んだ。



「風君が作ってくれたの!?」

「たぶんユナサイズ」

「すごぉい!!売り物みたいだよ」

「悠都と約束したから」



ユナにはフリルの白シャツを作り、ちーにはとにかく思いつくだけの服を縫った。



「バイトに着てったらお客さんが欲しいって言ってくれたよ」

「へぇ~」

「絶対才能あるよね?」

「知らねぇ」

「風都って欲薄いね」

「意味わかんねぇ」



自分の服とか、男物は作れる気がしなくて1着も作れなかった。



楽しいことを見つけた夏休み。



ほとんど引きこもってすごしたけど、少~しだけ充実してた気もする。



たくさん働いたちーは学校が始まればバイトも経るらしく。



ちょっとは俺に構ってくれんの?



だけど一言で言えば今年の夏休みは…ヒマ。