でも少し嬉しい俺がいた。



昔から褒められたのは絵ぐらい。



好きじゃねぇから授業以外では書かなかったけど、賞状とかもらったことは何度かあった。



でもアレは好きじゃなかったから嬉しくもなかったけど…。



ボタンをつけたくらいでそんな言われ方すると、調子に乗りそうな俺がいる。



「悠都、コレ俺が作った」

「えっ、千衣ちゃんのスカート?ユナがカワイイって言ってたヤツ…」

「すげーだろ」

「へぇ~、そんな才能あんのか。俺にもなんか作れよ」



悠都に認められるとやたら嬉しい…。



悠都はわざと褒めてるんじゃないってこともわかってるし…。



悠都にはできないこと、俺ができること…。



その差が俺には貴重だから。



「ユナのなら作ってやる」

「マジで?サイズとかわかんなくね?」

「あの幼児体型、Sサイズだろ」



今あるSサイズと同じサイズを作りゃあいいだけじゃん。



布を切ってちゃんと一から作ってみたくなった。