電気をつけたちーに熱を計れと言われ、体温計を渡された。



渋々計ってみるとさっきよりもあがってて、やっぱり死ぬ気が増す。



「なんか飲む?」

「死ぬ前にクリーム乗ったアイスココア…。たこ焼きとモッツァレラも…」

「そんなに食欲あったら死なないと思うよ…」



女ってのは強い生き物だな…。



母ちゃんなんて熱があっても平気でメシ作ったりするし…。



「俺、男だから死ぬ…」

「大丈夫、冗談言えてるから死なない」



クリームの乗ったココアが飲みたかった…。



リビングに出て母ちゃんにそう言うと、冷たい一言…。



「んなもんねぇよ」



俺が死んだら備えてくれるって。



ココアは諦めよう…。



「サキ、兄貴んとこ連れてって。さっき電話したらまだ病院にいるって言ってたから」

「わかった。風都、そのままでいいから行くぞ」



どうやら俺は親父の手により病院に連行されるらしい…。



母ちゃんの実家の病院…。