「あの...お父さんは何故私にこのような名前を?」


「ん?嫌か?その名前。」


急な問いに少し驚いた様な表情と心配そうな表情をした。


「い、いえ、そういう訳ではないのですが...」


お父さんにつられて私まで少し困ってしまう。


「皆さんに"可愛いお名前ね"と言われるのですが、時折"何故そんなお名前に?"と聞かれるんです。」


「...ああ、そうか。確かに少し変わっているからな。」


お父さんは安心した顔を見せて紅茶をテーブルに置き、一息ついてからゆっくりと話し始めた。


「そうだな...由来、といえば特にはないのだが...
私の名前は、明阿、つまり英語でアクアだ。
真凛の名前はマリン。
アクアマリンという言葉、よく聞くだろう?
そこから取ったんだ。
だからそんな大きな意味というのは...ないかな。」


お父さんの笑みがまた少し苦くなる。