「完全犯罪にはトリックが必ずあります。それが分かれば完全じゃなくなるんですよ」 「署までご同行を」 平山警部が若奈さんに言った。 「もういい……。私には何もない……」 「ありますよ」 悠が言った。そして、 「あなたには、はるもとがあります。そして、支えてくれる人も」 階段の方を見た。 そこには夏恋ちゃんがいた。 「……若奈さん」