「どうやら気絶してるだけらしい」 よかった……。 「じゃぁ部屋へ運ぶ。どこか分かるか?」 「えっと……」 どこだろう。 会話の中でそんなこと言ってなかった。 「216号室です」 後ろから悠の声が聞こえた。 「悠!いつから……」 「さっき」 そう言いながら加島さんをゆっくり起こす。 「案内するんで運ぶの手伝ってください」 「当然だ」 加島さんを中心にして肩を組んで、足を引きずるような形で運んでいく。