「そうか」


そこから、沈黙が続く。






重い口を開いたのは平山警部だった。


「お前も、探偵なんだよな」


「はい」


「嫌になったりしないのか?」


意外な質問だな。


まぁ、これで2回目だけど。


「自ら探偵になった訳だし、嫌とかいってられませんよ」


笑いながら答えた。


確かに嫌になる時も少なからずあるけど。


だけどそれより、人の役に立ちたいという気持ちが上回る。


ただの、きれいごとかもしれないけど。


「…………」


平山警部は黙ってしまった。