「……何それ」


悠の目線があたしから、あたしの手に移る。


「インスタントコーヒー」


「見れば分かる」


「え?」


「え?じゃねぇよ。なんで持ってんのかって聞いてんの」


「バイトさんに頼まれたの。美衣奈さん、かなりのコーヒー好きらしいよ」


まるでよーたさんみたいだ。


よーたさんも、かなりのコーヒー好き。


「ふーん」


あ、そうだ。

このコーヒー、よーたさんへのお土産にしよう。


マズイ……かな。


マズイよね、さすがに。


なに考えてんだろ。