「…………あの」


悠がだるそうに声を出した。


「何?」


「なんかシリアスっぽいとこ悪いけど、早くアリバイ聞いてくれる?」


暇じゃないんだよこっちも、と悠は付け足す。


「う、うるさいなっ。今からやろうとしてたの!」


……よく分かんないけど恥ずかしい。


絶対あたしは悪くないのに。


あたしはミニメモ帳を広げ、わざとらしく咳をした。


「アリバイを教えて下さい」


朝子さんは、怪訝そうな顔をする。


「……私は部屋にいました」


「それを証明できる人は」